四象調息法における肩甲骨の動き
四象調息法は当院オリジナルの呼吸法です。
人には生まれついて得意な呼吸のタイプがあり、それは4つのタイプに分けられます。
得意な呼吸タイプの違いは、姿勢の違いに表れます。
以前の記事では、首の動きについて解説しました。
その時の記事でも書いたことですが、首の動きについては注意点があります。
首の動きは外見的には分かりやすいのですが、本当に重要なのは胸郭と骨盤の動きです。
首の動きは、胸郭と骨盤が正しく動いた結果として出てくるものと捉えるのが良いのです。
それで、今回の主題の肩甲骨の動きについてです。
肩甲骨の動きは、体幹部の動きの中では最も表面的なものとなりますので、首の動きと同様に外見的にはタイプの違いが分かりやすいです。
『肩甲骨の位置がどこに収まりやすいのか』によって、その方のタイプを判別することもある程度は可能です。
そして、注意点も首の動きと同じです。
胸郭や骨盤に比べると、肩甲骨の動きはずっとコントロールしやすいのですが、そのために、肩甲骨の動きに意識を集中しすぎると、肝心な胸郭や骨盤の動きがおろそかになってしまいがちです。
あくまでも、肩甲骨の動きは補助的なものと考えるが良いのです。
しかし、分かりやすいだけに、四象調息法の入門としては、肩甲骨の動きを意識することは有効な方法です。
私自身、施術現場でもよくご指導するのですが、【少陰タイプ】の肩甲骨の位置と【太陽タイプ】の肩甲骨の位置を繰り返しながら呼吸を行う方法は、胸郭の正しい動きを感覚的に掴むのに有効です。
【少陰タイプ】の肩甲骨の位置の時に、息を吸う。
肩をすくめる意識を持てば、自然とその位置に収まります。
↓↑
【太陽タイプ】の肩甲骨の位置の時に、息を吐く。
単純に肩甲骨を背骨に引き寄せる意識を持てば、十分です。
また、この呼吸法は、首こり・肩こりの予防にも非常に有効です。
首や肩の筋肉が、日常生活ではなかなかしない動きをすることになります。
ですので、初めて行う場合は筋肉がびっくりして、寝違いのような状態になったり、つりそうな状態になったりすることもあります。
はじめはゆっくりと柔らかくはじめるように気を付けてください。