四象調息法の基本(胸郭編)
今回は、山根式四象調息法の基本を説明いたします。
タイトルでは一応「胸郭編」と銘打ってはいますが、この後別のものが続くかどうかは現在のところ不明です。
胸郭は本来よく動くものなのですが、動きが鈍くなってしまっている人がいます。
そういう人は肩こりや腰痛に悩まされがちです。
胸郭の動きを意識しながら呼吸をすることで、胸郭の動きは本来の柔軟性を取り戻し、肩こりや腰痛を予防することができます。
上の図の緑色の部分が胸郭です。
AからDまで付けられた記号は、それぞれ呼吸の時に意識するポイントを指しています。
以下にそれぞれのポイントを拡大した図を並べておきます。
『A:肩甲骨上角』と『C:第10肋骨肋骨角』については、左右の2つの点を合わせて意識します。
上の図の骨格モデルは胸郭部が固定されていて、実際の人体のようには動きません。
そこで、割りばしを輪ゴムで止めて組み合わせたものを作りました。
向かって右を向いている人の胸郭だと思ってください。
AからDまでの記号は、上の骨格モデルで示したのと同じ箇所を表しています。
まずは、息を吸ったときの胸郭の動きをやってみます。
『B:胸骨頚切痕』と『C:第10肋骨肋骨角』が遠ざかりながら、胸郭内のスペース(緑色の部分)が広がり、最大になっているのが見て取れます。
【基本① 息を吸うときの注意点】
息を吸うときには『B:胸骨頚切痕』と『C:第10肋骨肋骨角』のポイントを意識して遠ざけると、胸郭が最大限に広がるので、胸郭の可動性が高まる。
次に、息を吐くときの胸郭の動きを見てみます。
今度は『A:肩甲骨上角』と『D:胸骨剣状突起』が遠ざかることで、胸郭内のスペースが狭くなっていきます。
【基本② 息を吐くときの注意点】
息を吐くときには『A:肩甲骨上角』と『D:胸骨剣状突起』のポイントを意識して遠ざけると、胸郭が効率よく狭くなり、胸郭の可動性が高まる。
以上が四象調息法の胸郭の動きの基本です。
実際には、胸郭のなかでも人それぞれに動かしやすい箇所、動かしにくい箇所があります。 そのため、現実に個別指導を行うときには、その方の状態を仙腰関節(仙腸関節ではなく)の動きも含めて見きわめながら、最適な意識の持ち方をオーダーメイドしていきます。
毎日10回×1セットほどの呼吸訓練を続けていただくことで、肩こり・腰痛の再発率をかなり抑えられています。
※ 今回は基本的な考え方を説明することが目的です。直接にはご指導できないことなので、実践されたことで生じた心身の不具合等について当方は一切責任を取りかねますので、あしからずご了承ください。