くくのち指圧治療院
呼吸法について
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■概要 ~山根式四象調息法について~
山根式四象調息法とは、体幹部を鍛える(胸郭部をやわらかくし、腹横筋を活性化させ、仙腰関節を動きやすくする)ことを目的とした呼吸法です。
体幹を鍛えることで、身体を支えることが楽になり、疲れにくくなり、肩こりや腰痛を予防することが期待できます。
長時間のデスクワークで、パソコンの前に座っていると、体幹部に疲労がたまりやすくなります。
その結果、胸郭部はかたくなり、腹横筋は衰えて、仙腰関節が動かしにくくなります。
そうなると、後頭下筋群、僧帽筋、肩甲挙筋、斜角筋、菱形筋などの肩こりを引き起こす筋肉や、脊柱起立筋群、腸腰筋、臀筋、腰方形筋などの腰痛を引き起こす筋肉に、疲労が蓄積されてしまいます。
それらの筋肉に疲労が蓄積されて固くなってしまうと、肩こり・腰痛を引き起こすほかにも疲れやすくなってしまったり、気持ちに余裕がなくなったりするなど、心身に様々な悪影響が出てきます。
山根式四象調息法は、当院が独自に考案した呼吸法です。
現在巷では様々な呼吸法が紹介されています。
そして、それらの多くのものが、山根式四象調息法と同様に、体幹トレーニングとの関連性を謳っており、呼吸を行うことで腹横筋を鍛えることの重要性を説いています。
それらの呼吸法と山根式四象調息法の違いはどこにあるかと申しますと、腹横筋を鍛えることを重視することは同じなのですが、山根式四象調息法はさらに胸郭部の柔軟性と仙腰関節(骨盤と背骨のあいだにある関節、仙腸関節ではありません)の可動性に注目しています。
あとは、その名の通り(「四象」とは4つのタイプという意味です)、生まれつきの呼吸タイプを4つに分類していることも、山根式四象調息法の特徴になります。
4つのタイプとは、少陰タイプ、少陽タイプ、太陰タイプ、太陽タイプになります。
■誕生するまでの経緯
院長の山根は、訪問在宅マッサージの現場に8年間、身を置いておりました。その中で気付いたことは、呼吸訓練の重要性です。
要介護度4や5といった寝たきりの方こそが、内臓機能や免疫機能の活性化や嚥下機能の維持のために、呼吸訓練を必要とされていると感じました。
また、脊髄を損傷されて、両脚が麻痺状態になってしまい、車椅子での移動を余儀なくされている方の場合でも、呼吸訓練を行うことで、体幹部の深層の筋力が増して、長時間車椅子に乗っていても疲れにくく、さらには、力強く車椅子を動かせるようになられたことがありました。
訪問在宅マッサージの現場のなかで、呼吸訓練の重要性を実感すると同時に、それとは別に、姿勢と腰痛の深い関係も意識するようになっていきました。
年齢を重ねられるとともに、重力に対抗しながら姿勢を保つことが困難になり、背骨が変形してしまわれる方が多く、そのために腰痛や神経痛が出てしまうのですが、その変形していくパターンがいくつかのタイプに分類できることに気づきました。
なぜ、どのような仕組でそれらのパターンに分かれるのかまでは、すぐに気が付けずに、ただ、その各タイプの患者様の痛みに合わせて、痛みや症状をやわらげる施術を行っていました。
それがある日、ひょんなことから「呼吸訓練の重要性」と「姿勢と腰痛の深い関係」というふたつのイメージがひとつに合わさり、呼吸法と姿勢と腰痛の三つ巴の関係がすんなりと理解できるようになったのです。
その人に合った呼吸法を訓練すれば、姿勢がその人に合ったものとなり、身体への負担も減って、腰痛や肩こりが改善されるということなんですが、そういった理屈が、具体的な4つの呼吸法を思いついたことで、現場で実践できるものへとなっていきました。
■4つの呼吸タイプについて
その4つの呼吸法のタイプを「少陰タイプ」「少陽タイプ」「太陰タイプ」「太陽タイプ」と名付けました。
東洋医学では身体の背中側を「陽」とし、身体のお腹側を「陰」として捉える考え方があります。また、身体に限ったことではないですが、上側を「陽」で、下側を「陰」と捉えます。
胸郭(肺を取り囲む骨や筋肉などで構成される部分)のどの位置を意識するのかによって、タイプを分類しているので、その位置が胸郭のどちら側なのかということを意識して、東洋医学の考え方で名付けたというわけです。
「少陰タイプ」・・・胸郭のお腹側、上側を意識して呼吸するタイプ
「少陽タイプ」・・・胸郭の背中側、下側を意識して呼吸するタイプ
「太陰タイプ」・・・胸郭のお腹側、下側を意識して呼吸するタイプ
「太陽タイプ」・・・胸郭の背中側、上側を意識して呼吸するタイプ
当院では、患者様がどのタイプの呼吸法と合っているのかを判別したうえで、患者様のお身体の状況に合わせて呼吸法をオーダーメイドいたします。
すなわち、上記4タイプのみを正しい方法として指導するのではなく、患者様それぞれに合わせた呼吸法をともに作り上げていくというスタンスをとっています。
■呼吸タイプの簡易判別法
これらの呼吸タイプは完全に独立しているのではなくて、お互いに関連し合っています。
ですので、実際の呼吸法指導のなかでは、複数のタイプの要素をミックスさせてお伝えすることがあります。
自分の本来のタイプの呼吸法を完全にマスターすることに越したことはないのですが、その方の心身の状況によっては、すぐにマスターすることが難しいこともあります。
そういう時には、段階的に呼吸法指導を進めることになります。
その段階の途中では、本来のタイプとは違ったもの、もしくは、複数のタイプの要素をミックスしたものを取り入れた方が全体のバランスが取れることがあります。
そういった事情もあるので、できれば呼吸法指導は患者様と直接にお会いして、心身の状況を確認しながら行うのがベストなのですが、遠方にお住まいでご来院できないという方から、「自分の呼吸タイプを知ることはできないのか」というお問い合わせをいただきましたので、あくまでも簡易版という形になりますが、判別法を公開したいと思います。
【簡易判別法についての注意事項】
簡易判別法は呼吸編、姿勢編、性格編から成り、全部で5つの設問がありますが、かなり簡略化された質問ですので、正確性はそれだけ落ちてしまいます。あくまでも一つの目安として捉えて、総合的に判別してください。
自分一人で判別するのであれば、呼吸編でするのが一番簡単だろうと思います。姿勢や性格というのは、自分の心身を客観的に分析しなくては見えてこないものだと思いますので。
姿勢は後天的な思い込みが強く作用しますので、本来のタイプの特徴が消えてしまっていることがよくあります。
性格編も姿勢編と同じく、客観的な分析が必要となるので、呼吸編よりも判断が難しいと思いますが、出来るだけ先入観を排して判別してください。
自分のことは客観的に見えにくいことに加えて、性格は目に見えないので、性格編は姿勢編よりも判断が難しいかもしれません。
性格編は補助的なものと考えて、呼吸編と姿勢編を主体にして判別していただくのが良いかもしれません。
あくまでも簡易判別法となりますので、実践される方はくれぐれも慎重に執り行ってください。
直接にはご指導できないことなので、実践されたことで生じた心身の不具合等について当方は一切責任を取りかねますので、あしからずご了承ください。
【山根式四象調息法の簡易判別法(1)~呼吸編】
問1 「息を吐いてください」と言われた時に、次のどちらが自然に呼吸ができると感じますか?
a. 予備動作として息を一度吸ってから、吐く。
b. 予備動作なく、吐く。
問2 (問1でa.と答えられた方)次のどちらが自然に呼吸でき、体幹が安定すると感じますか?
c. 両方の鎖骨を上に引き上げながら、息を吸う。→<少陰タイプ>
d. 脇腹を左右に広げながら、息を吸う。→<少陽タイプ>
問3 (問1でb.と答えられた方)次のどちらが自然に呼吸でき、体幹が安定すると感じますか?
e. みぞおちを前下方におろしながら、息を吐く。→<太陰タイプ>
f. 肩甲骨を背骨に向けて寄せながら、息を吐く。→<太陽タイプ>
【山根式四象調息法の簡易判別法(2)~姿勢編】
問4 右でも左でもどちらでもいいので、鏡に対して横を向いて立ち、鏡に映った自分の立ち姿を横から観察した時に、以下のどの姿勢が一番近いですか?(画像参照)
a. 肩関節が前にかぶり気味(内旋気味)で、背中側の首の付け根の下あたり(胸椎1番から5番あたりまで)が丸くなっている。→<少陰タイプ>
b. 肩関節が前にかぶり気味(内旋気味)で、肩甲骨の下のあたり(胸椎9番から腰椎2番あたりまで)が丸くなっている。→<少陽タイプ>
c. 肩関節が開き気味(外旋気味)で、鳩尾(みぞおち)あたりが前に出ている。→<太陰タイプ>
d. 肩関節が開き気味(外旋気味)で、肩甲骨が斜め後ろ上方に吊り上げられている。→<太陽タイプ>
【山根式四象調息法の簡易判別法(3)~性格編】
問5 自分の性格を感性と理論の配分で捉えたときに、その割合は以下の4つのうちどれが一番近いですか?
a. 感性:理論=1:2 理論的に考えて地盤を固めてから、感性でジャンプする。→〈少陰タイプ〉
b. 感性:理論=2:1 感性にまかせてまずは行動し、後に分析する。→〈少陽タイプ〉
c. 感性:理論=0:3 理論を優先する。どんな時でも、冷静な判断が得意。→〈太陰タイプ〉
d. 感性:理論=3:0 感性を優先する。ありのまま、自然のままであることを好む。→〈太陽タイプ〉