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四象調息法における首の動き(上級者向け)

四象調息法は、当院オリジナルの呼吸法です。

実際の現場での運用法としては、その患者様に足りない胸郭や骨盤の動きを補うために、呼吸エクササイズをご指導しています。

肩こり・腰痛を予防するための必要最小限のエクササイズですので、マスターしていただければ、時間と労力をかけずに十分な効果が得られます。

下に挙げる参照記事には、四象調息法の基本的な考え方が載っています。

【参照記事】

四象調息法では、胸郭の動きと骨盤の動きを重視します。

また、首の動きも重要です。

首の動きは、胸郭や骨盤に比べると微妙なので、上級者向けの動きになります。

今回の記事は首の動きについての話がメインですので、初めて読まれる方には分かりにくいかもしれません。

(※詳しくお知りになりたい方は「健康維持を、日常の隙間時間で行える呼吸法から考えるサイト」までどうぞ。)

さて、一般的には首というと、顎の下から鎖骨あたりまでの部位を指しますが、四象調息法では首と胸郭をセットで考えます(下図参照)。

首と胸郭の動きを表すのに、水飲み鳥をモデルとして使います(下図参照)。

赤い液体の入った下部の球体の☆印を付けた部分が、人体のみぞおちにあたります。

四象調息法では呼吸のタイプを4つに分類しています。

以下に、4つのタイプの患者様の写真と水飲み鳥のモデルをそれぞれ一緒に並べていきます。

まずは、少陰タイプです。

少陰タイプの人は、息を吸いながら、前上方に伸び上がる姿勢が最も安定します。

その時、胸郭は胸骨頚切痕を引き上げ、骨盤は前傾させます。

次に、少陽タイプです。

わき腹から背中にかけての肋骨を広げながら、息を吸います。

みぞおちの高さで、背中側が膨らむような感覚です。

その時、骨盤は前傾させます。

首の動きとしては、肋骨の動きに連動して、少し前に傾きますが、それはあくまでも肋骨の動きの結果そうなるということで、意識して動かすのはよくありません。

次は、太陰タイプです。

みぞおちを前方か前下方に突き出しながら、息を吐きます。

その時、骨盤は後傾させます。

首の動きは、みぞおちを突き出す動きに連動して、ほんの少し後ろに傾きますが、それはあくまでも肋骨の動きの結果そうなるということで、意識して動かすのはよくありません。

最後に、太陽タイプです。

太陽タイプの人は、息を吐きながら、後上方に伸び上がる姿勢が最も安定します。

その時、胸郭は肩甲骨上角あたりを後方か後上方に引き、骨盤は後傾させます。

以上が、四象調息法の4つの呼吸タイプにおける、首の動きの違いです。

四象調息法において、まず重要なのは胸郭と骨盤の動きです。

そこを間違えてしまうと、肩こりや腰痛が悪化してしまう可能性が高いです。

逆に言うと、胸郭と骨盤の動きを間違えているからこそ、慢性的な肩こり・腰痛が起きるとも言えます。

今回は上級者向けということで、首の動きを解説していますが、胸郭と骨盤の動きを無視して、首の動きだけを強調してしまうのは、バランスを崩してしまうので、かえってよくありません。

全身的な呼吸動作を統合するために、首の動きを利用するといった感覚です。

もしくは、全身的な呼吸動作の統合ができているか、確認するために首の動きを見るぐらいの感覚です。

いきなり胸郭・骨盤・首など、すべての動きをマスターすることは、非常に難しいです。

実際の施術現場では、最初は胸郭か骨盤に焦点を合わせて、ひとつひとつ段階的にご指導していきます。

余談ですが、場合によっては、その方の不得意な動きをご指導することもあります。

それは、長所を伸ばした方がうまくいく場合と、短所を消した方がうまくいく場合があるということです。

急がば回れ的なことでもあります。

繰り返しになりますが、まず意識をすべきなのは胸郭と骨盤の動きです。

その結果として出てくるのが、首の動きというのが正しい捉え方です。

しかし、それぞれのタイプの特徴を最も外見的に表しているのは首の動きです。

どの呼吸タイプか判別する時に、その人の姿勢は有力な判断材料になります。

その時に特に見ているのは首と胸郭のつながり方であり、首と胸郭をセットで見て、それらがどちらの方向に動きやすいのかを見ています。

※ 4つのタイプの簡易判別法はこちらまで。

首の動きが最も外見的に分かりやすいので、胸郭や骨盤の動きではなく首の動きで姿勢を調節しようとしがちです。

そうしてしまうと、不要な緊張感が首のまわりに出てきてしまうので、肩こりの原因になってしまいます。

自分の呼吸タイプを正しく知り、それに合った胸郭や骨盤の動きを身に着けることが、肩こり・腰痛になりにくく疲れにくい身体づくりにはまず大事になります。

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