胸郭を全方向に広げる呼吸法
今回まずは、前回よりもさらに簡略化された「腰痛予防・改善のための呼吸法」をご紹介いたします。
これまでご紹介してきた「腰痛予防・改善のための呼吸法」は以下の通りです。
根底にある考え方は、上記リンク先のどのやり方でも同じなんですが、どういうかたちでお伝えするのがベストなのか、ということで、ずっと悩み続けてきたわけです。
しかし、今回こそは決定版だと信じております。今のところは。
(もし何か、また新しいやり方が見つかったら、完全版、最終版、ファイナル・カット版、呼吸法2049…などと、映画『ブレードランナー』式に称して、紹介し続けることにいたします)
そう言うわけで、ご紹介いたします。
剣状突起というのは、みぞおちあたりにある、胸骨の一番下にある骨のでっぱりのことです。
剣状突起 (胸骨の下端にある出っ張り)
②の「剣状突起を後ろに引き下げながら息を吸う」のときは、自然と背中が広がってきます。
背中に空気を入れている意識で息を吸うと、うまくいきます。
1セットでの回数は2~3回、1日2セットぐらいでOKです。
初めて行う時や筋肉が固くなっている時は、筋肉がびっくりしてぎっくり腰のような状態になったり、つりそうな状態になったりすることがあります。慣れるまでは、ゆっくりと行うようにご注意ください。
簡略化した分、これまで何度も触れてきた腰椎と骨盤の動きが省略されています。
腰椎と骨盤の動きは、腰痛予防・改善をするのに非常に重要ですが、今回のやり方は入門的なものとして捉えていただき、腰椎と骨盤の動きを学ぶのは次のステップにあると、お考えください。
簡略化したとは言え、今回のやり方でも腹圧が自然とかかりますし、胸郭の動きも広がりますので、十分に効果があります。
今回、思い切った簡略化をしたことで、腰痛のための呼吸法もようやく、肩こりのための呼吸法のシンプルさに追いつくことができました。
肩こりのための呼吸法が、胸郭の上部を前と後ろに広げます。
腰痛のための呼吸法が、胸郭の下部を前と後ろに広げます。
そして、両方の呼吸法を合わせて使うことにより、胸郭を全方向に広げることができます。
肩こりのための呼吸法をそれぞれ、鎖骨呼吸、肩甲骨呼吸と名付けます。
腰痛のための呼吸法をそれぞれ、みぞおち呼吸、背中呼吸と名付けます。
胸郭を動かしにくいところがあると、そこが肩こりや腰痛を引き起こします。
そして、胸郭の動かしにくさには個人差があります。
4つの呼吸法のなかから、自分の苦手な呼吸法を見つけ出して、重点的に訓練を行うことで、肩こりや腰痛の予防・改善が期待できます。
呼吸法を行うのに広いスペースは必要ありません。立っていても、座っていてもできます。
時間も必要ありません。ほんの一呼吸をするだけなら、1分にも満たない時間で可能です。
慣れてくれば、家事やデスクワークをしながらでも実践することができます。
ぜひ一度、お試しいただきたいと思います。