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なぜ指圧師が呼吸法の研究をしているのか?

前回まで、肩こりや腰痛に効く呼吸法について解説してきました。

→肩こり予防・改善のための呼吸法はこちら

→腰痛予防・改善のための呼吸法はこちら

肩こりに効く呼吸法の方が簡単です。

図と文章だけの情報でも、再現できると思います。

それに対して、腰痛に効く呼吸法は少し難しいです。

より分かりやすく解説するとなると、動画をアップロードする必要がありそうですね。

動画ですか。編集とか大変そうですよね・・・。

うーん・・・検討してみます。

さて、今回の記事では、さらにややこしい呼吸法について取扱います。

四象調息法のなかで、一番ややこしい部分かもしれません。

一番ややこしい部分だけに、今回はできるだけあっさりと触れてみたいと思います。

まずは、呼吸法の全体図を再掲します。

胸郭の上部を使うのが、肩こり対策の呼吸法で、

胸郭の下部を使うのが、腰痛対策の呼吸法です。

両方とも、水平方向の矢印で表されています。

今回は、斜め方向の矢印で表されている呼吸法について解説いたします。

黄色の丸で囲んだ部分ですね。

斜めに矢印が走っていますが、両端とも「吸」もしくは「吐」になっています。

これは、それぞれが「吸い続ける」こと、「吐き続ける」ことを表しています。

具体的な方法は、今回は省きます。

あっさりとイメージだけを書きますと・・・

・身体の奥の筋肉にアプローチする。

・身体の奥の支点を動かす。

・身体の表面ではなく、奥から力が出せる。

以上3点がポイントになります。

3番目のポイントに「身体の表面ではなく、奥から力が出せる」とありますが、私が指圧をするときにはこの力を使っています。

表面的な筋力を使って指圧を行いますと、施術を受ける側の筋肉が無意識に緊張状態になってしまい、力と力のぶつかり合いが生じてしまいます。

そうなりますと、受けている側の筋肉も傷つきますし、施術している側の身体にもダメージが出てきます。

身体の奥から出てくる力で指圧をすることにより、相手にも施術師にもダメージを残さず、なおかつ、高い効果が出せるようになります。

なぜ指圧師が呼吸法の研究をしているのか?

その答えの一つがここにあります。

・施術師自身が呼吸の力(身体の奥から出てくる力)で押すことが出来るようになるため。

そうすることで、高い効果が出せるということですね。

表面的な力でグイグイと押してしまうと、その時は楽になった気がしても、後々、かえって筋肉が固くなってしまいます。

身体の奥から出てくる力は、患者さんの身体の奥に効きます。

無意識に筋肉が緊張することを防げるからです。

そうすることで初めて、身体の奥にある重要な筋肉にアプローチすることが可能となり、患者さんの身体のバランスを整えることができるようになります。

その流れで、次に・・・

・施術師が、患者さんを導くゴール(理想的な身体のバランス)をイメージ出来るようにするため。

理想的な身体のバランスをイメージできないままに、患者さんの訴える箇所のみを漫然と施術していても、高い効果は見込めません。

ボディワークという言葉が世間一般に認知されるようになっていますが、その定義は「正しい身体イメージを身につけるための方法の総称」で問題ないかと思います。

ボディワークというと、アレクサンダー・テクニークやロルフィング、フェルデンクライス・メソッドなどが有名です。

施術師たるもの、何らかのボディーワークを学び、患者さんを正しいゴールへと導いていかなくてはならないと、私は考えています。

最後に・・・

・呼吸法を指導することで、患者さんに良好な身体のバランスを維持していただき、肩こり・腰痛の再発を予防するため。

長時間のデスクワークや身体を使ったハードワーク、さらには、介護や育児など、現代社会にはストレスがあふれています。

それに昨今は、気象状況も不安定で、それもストレス要因の一つになっています。

そんな中、マッサージや指圧を受けてストレスを解消したくても、時間的にも経済的にも余裕がないという方が多くいらっしゃいます。

ご自身でできる身体ケアを身につけることが出来れば、その悩みはかなり軽減されます。

それで完全にストレス解消できれば申し分ないのですが、現実には完全に、というのはなかなか難しいです。

それでも、マッサージや指圧を受ける頻度、回数が少なくなることが見込めます。

今回は、一番ややこしい呼吸法のあっさりとした解説から、なぜ指圧師である私が呼吸法を研究しているのかについて、触れてみました。

このあたりのテーマは、深堀りしようと思えばどこまででも深く掘れてしまうので、できるだけ軽く書くつもりが、結局まあまあの分量になってしまいました。

ちょっとだけ上にも出てきた「身体の奥の支点を動かす」についてまで書き出した日には、自分でもうんざりしそうな分量になりそうなので、それは差し控えておきます。

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