「甲野先生は古武術研究家なのだから、それは当たり前のことなんじゃないか」
- 2017年12月12日
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去る12月9日に、京都市生涯学習総合センター(京都アスニ―)において、甲野善紀(こうのよしのり)先生の講習会を受講してきました。

甲野善紀先生と言えば、十数年前に起こった古武術ブームの立役者で、言わずと知れた古武術研究界のスーパースターです。
私自身も、古武術ブームの頃より、甲野先生の書籍などから、身体の使い方などについて多くの影響を受けてきました。
甲野先生の講習会を受講するのは今回が初めてです。
武術関連の講習会を受講したのは、今回で2回目です。
1回目に受けたのは、昨年の9月に開催されたもので、日野晃(ひのあきら)先生によるワークショップでした。
日野先生も、私がその書籍などから多大な影響を受けてきた武術研究家の一人です。
(その時の記事『自分と違うタイプの指導者から何が学べるのか』)
日野先生は【少陽タイプ】で、【少陰タイプ】である私とは心身ともに使い方がまったく違います。
まったく違うからこそ、日野先生のワークショップからは学べるところが多くありました。
今回受講した甲野先生は、私と同じ【少陰タイプ】だと思われます。
ですので、今回は、心身の使い方が同じ傾向であるがゆえの有意義さがあるだろうと、予感しておりました。
結論から申しますと、半分は予想通りに、とても有意義だったのですが、残りの半分については、ちょっと不完全燃焼でした。
良かったところは、甲野先生の身体の使い方に関して、直接的に触れることができ、ご指導いただけたことです。
甲野先生は68歳、身長168cm、体重58㎏です。
私は43歳、身長182cm、体重は82㎏あります。
20kg以上の体重差をものともせずに、私、先生にふっ飛ばされました。
そして、その後、何が起こったのかを事細かに説明してくださいました。
その説明のなかには、「気」の話のような怪しいもの、ファンタジーなものは一切なくて、あくまでも現実的な内容のご説明でした。
かなり乱暴に端折って書きますと、「先生が私をふっ飛ばしたと言うよりも、私が先生の動きにびっくりして勝手に飛んで行った」となります。
10年以上も前からテレビや書籍で何度も見てきた術を、直接自分の身体で体験できたことは、本当に貴重でした。
(ただ、先生の話によれば、先生のなかでも術はどんどん進化しているとのことで、10年前の術と今の術は、また違ったものになっているとのことでした。)
去年の9月の日野先生のワークショップのときには、一度しか術を受けることができず、しかも、それが私には効かなかった(術を効かせることが目的ではない、とはおっしゃっていましたが)ので、すこし不満足な思いがあっただけに、今回、何度も術の受けを取らせていただけたのは、本当に嬉しく感じました。
不完全燃焼に感じたのは、治療的行為の部分に関してです。
もともと甲野先生は、整体協会の創始者である野口晴哉(のぐちはるちか)先生から大きな影響を受けたと公言されています。
また、近年は「ヒモトレ」という健康法を実践・指導されています。
「ヒモトレ」というのは、ヒモを軽く身体に巻いて(巻き方はさまざま)、軽く身体を動かすだけで、不調が取れるというものです。
さらには、日本刀の刃の部分を患部に一瞬押し当てることで不調を治すということもされています。
そういうことが前提としてあったので、今回の講習会のなかで機会があれば、指圧師の一人として治療的行為についてご質問させていただきたいと思っていました。
そして、実際に質問できる機会が数多く設けられて、なおかつ、質問される方がほかにいない状態が続いたので、思い切って治療的行為についての質問を2点ほどさせていただきました。
しかし、ご返答をいただいた内容について、どうも歯切れが悪く感じてしまいました。
身体の使い方についてご説明いただいた時のようなスッキリとしたものが、その時にはなかったのです。
少し口ごもられるようなこともありましたし、あまりそのことについて話されたくないような印象も覚えました。
ヒモトレも体験させていただきましたし、日本刀による刃当ても体験させていただきました。
それ自体は、本当に貴重な体験で、とてもありがたく感じました。
しかし、今回はどちらもその効果を実感することができませんでした。
(刃当てに関しては、受けた直後は強い刺激によって元々の不調が紛れたのですが、先生のおっしゃるような「時間が経てばもっと楽になる」ということはなく、30分ほどでもとの不調が戻ってくるのが確認できました。)
ヒモトレにしても刃当てにしても、効く人には効くのだろうと思います。
タイミングや状況が違えば、私にも効くのかもしれません。
今回効果が実感できなかったからと言って、それが無意味な行為だと言うつもりもないです。
ただ、身体の使い方に対する説明が理路整然としていて、ものすごく分かりやすかっただけに、治療的行為の説明が、体験させていただいてもなお、曖昧にしか感じられなかった点が気になったのです。
「甲野先生は古武術研究家なのだから、それは当たり前のことなんじゃないか」と自分でも考えたのですが、しかし、一人の人間のなかで、古武術に対する時と、治療的行為に対する時で、人体への取り組み方がそんなにも変わるものなのだろうかという違和感が、どうしても拭えません。
それに、甲野先生の身体の使い方は、私の施術に大きな影響を及ぼしているだけに、「そんなはずがない」という違和感が倍増してしまいます。
今回の講習会では、大きな違和感・疑問点が私の中に残ってしまいました。
また機会があれば、講習会に参加して、先生にいろいろとお聞きしたいと思っております。

講習会が開始されて数分後の出来事。







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