山根式四象調息法の簡易判別法(序)
山根式四象調息法とは、体幹部を鍛える(胸郭部をやわらかくし、腹横筋を活性化させ、仙腰関節を動きやすくする)ことを目的とした呼吸法です。
体幹を鍛えることで、身体を支えることが楽になり、疲れにくくなり、肩こりや腰痛を予防することが期待できます。
長時間のデスクワークで、パソコンの前に座っていると、体幹部に疲労がたまりやすくなります。
その結果、胸郭部はかたくなり、腹横筋は衰えて、仙腰関節が動かしにくくなります。
そうなると、後頭下筋群、僧帽筋、肩甲挙筋、斜角筋、菱形筋などの肩こりを引き起こす筋肉や、脊柱起立筋群、腸腰筋、臀筋、腰方形筋などの腰痛を引き起こす筋肉に、疲労が蓄積されてしまいます。
それらの筋肉に疲労が蓄積されて固くなってしまうと、肩こり・腰痛を引き起こすほかにも疲れやすくなってしまったり、気持ちに余裕がなくなったりするなど、心身に様々な悪影響が出てきます。
山根式四象調息法は、当院が独自に考案した呼吸法です。
気功やヨーガをはじめ、現在巷では様々な呼吸法が紹介されています。
そして、それらの多くのものが、山根式四象調息法と同様に、体幹トレーニングとの関連性を謳っており、呼吸を行うことで腹横筋を鍛えることの重要性を説いています。
それらの呼吸法と山根式四象調息法の違いはどこにあるかと申しますと、腹横筋を鍛えることを重視することは同じなのですが、山根式四象調息法はさらに胸郭部の柔軟性と仙腰関節(骨盤と背骨のあいだにある関節、仙腸関節ではありません)の可動性に注目しています。
あとは、その名の通り(「四象」とは4つのタイプという意味です)、生まれつきの呼吸タイプを4つに分類していることも、山根式四象調息法の特徴になります。
4つのタイプとは、少陰タイプ、少陽タイプ、太陰タイプ、太陽タイプになります。
これらの呼吸タイプは完全に独立しているのではなくて、お互いに関連し合っています。
ですので、実際の呼吸法指導のなかでは、複数のタイプの要素をミックスさせてお伝えすることもあります。
自分の本来のタイプの呼吸法を完全にマスターすることに越したことはないのですが、その方の心身の状況によっては、すぐにマスターすることが難しいこともあります。
そういう時には、段階的に呼吸法指導を進めることになります。
その段階の途中では、本来のタイプとは違ったもの、もしくは、複数のタイプの要素をミックスしたものを取り入れた方が全体のバランスが取れることがあります。
そういった事情もあるので、できれば呼吸法指導は患者様と直接にお会いして、心身の状況を確認しながら行うのがベストなのですが、遠方にお住まいでご来院できないという方から、「自分の呼吸タイプを知ることはできないのか」というお問い合わせをいただきましたので、あくまでも簡易判別法という形にはなると思いますが、今後、ある程度の目安のようなものを作り上げたいと思います。
お問い合わせいただいたその方は、当ブログも読んでいただけているようなので、ちょっと時間はかかるかも知れませんが、ここでの暗中模索の過程および結果をもってご返答に代えさせていただきたいと思います。
そういうわけで、次回から取り掛かりたいと思いますが、あくまでも簡易判別法のさらに検討過程となりますので、実践される方はくれぐれも慎重に執り行ってください。
直接にはご指導できないことなので、実践されたことで生じた心身の不具合等について当方は一切責任を取りかねますので、あしからずご了承ください。