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陰陽平和の呼吸?

 またしても一つの仮説を立てて、あーでもない、こーでもないと考えています。その仮説とは、『四象調息法』(当院の体質改善コースでご指導させていただく呼吸法)は、最終的に「陰陽平和の呼吸」をゴールにしているのではないか、というものです。

 以前の記事のなかで『山根式セルフ腰痛ケア』について考えていたときにも、似たような発想を持っていたのですが、今回はすでに4つのタイプに分かれているものとして確立されたところの『四象調息法』がベースになっている話なので、より具体的な思索になるのではないかと思っています。・・・こういう予測はほとんどいつも外れるのですけどね。

 『まんが黄帝内経』(医道の日本社/1995年)によりますと・・・

太陰の人:心は陰険、貪欲、表は謙遜、温厚。本当の気持ちをなかなか表に出さない。

    よく風向きを見ながら行動する。

少陰の人:他人の物を欲しがり、他人の不幸を喜ぶ。

    心が冷たくて、人を助けることは絶対にしない。

太陽の人:能力もないのによくほらを吹く。

    失敗しても反省せずに、人のせいにする。

少陽の人:行動は慎重で、うぬぼれがちである。

    ちょっとした役職についたら偉そうなかっこうをする。

陰陽平和の人:陰陽平和の人は動作に落ち着きがある。物事に恐れることもないし、喜びすぎることもないので、いつも平静な心持ちで物事に接する。人に思いやりがあり、高い地位についても謙遜し、その仁徳で人を感服させる。このような人こそ天の道にかない、「治」に至るのである・・・とあります。(霊枢 第七十二篇 通天)

 前四者のディスられっぷりが痛々しいのですが、悪い面を極端に強調すればこういう表現になるんでしょうか・・・。私自身は『四象調息法』の分類によると、少陰タイプですので、「他人の物を欲しがり、他人の不幸を喜ぶ。心が冷たくて、人を助けることは絶対にしない」・・・って、医療関係者として不適合すぎるでしょ。

 ただ、『四象調息法』を発案した時には、この一節のことは完全に忘れていましたし、東洋思想的な発想で呼吸のタイプの名前を付けはしましたが、呼吸タイプが即その人の性格に一対一でリンクするとまで考えていたわけではなかったので、『四象調息法』で判別されたタイプの方が上記の性質を持っているとは必ずしもならないわけです。

 それでも、考え方として、自分の持っている悪い面を抑えることで、バランスの取れた人格になっていくというのは、いかにも東洋思想的な考え方ですし、現代日本でも受け入れられやすい人物像と思われます。

 そこで、『四象調息法』の呼吸タイプの分類と『まんが黄帝内経』の性格の分類がリンクしていると仮定して、『四象調息法』の4つの呼吸法を使って、陰陽平和の呼吸ができるようになったとすれば、性格面においても陰陽平和の人になれるのではないか・・・というファンタジーを空想してしまうわけです。

 さすがに、「陰陽平和の呼吸法」というものはない、と自分でも思うわけなんですが、他人を知るのに、他人がどんな呼吸をしているのかを知ることは、非常に有効だと思うのです。

 自分のタイプとは違うタイプの呼吸法を試してみたり、実際に目の前で違うタイプの人の呼吸を見せてもらったりすると、同じ人間でありながら、こんなにも違うものなのか、という驚きをおぼえます。

 今は『四象調息法』の呼吸タイプと『まんが黄帝内経』の性格分類がリンクする前提で話をしていますので、その前提に沿って論を進めれば、自分と違うタイプの呼吸をする人は、性格も同じぐらいまったく違う考え方をするはずだ、という結論に至るわけです。

 自己と他者の違いを認識することが、様々な人間関係のトラブルを解消することは、一般的に知られている処世術ですし、実際に体感されている方も多いと思います。

 「所詮、自分と他人は違う人間で、自分と同じように相手も考えていると思い込むことは、自分の価値観を相手に押し付けていることと同じことだ」と知ることは、人を謙虚な気持ちにさせますし、そういう気持ちで相手に接すると、相手の態度も感化されて軟化することもあります。

 ここまでくると、現実味を帯びた話になってきているように思います。たとえば、いつもは私とクライアントの一対一のセッションをしているわけですが、これからは、何人かのグループワークを行うのもいいかもしれません。

 その場合、すこし自己啓発セミナーの色合いも出てくるかもしれません。それはやってみないと分からないところですが。

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