山根式セルフ腰痛ケア(4)
結局、一晩寝て起きてみたら、頭の中の「山根式セルフ腰痛ケア(以下、腰痛ケア)」が随分と脱色された感じで、存在感が薄れてしまっております。
思いついた時には、これはなかなかのものになりそうな予感があったのですが、今では「四象調息法(以下、呼吸法)」の一つのパーツに過ぎなくなってきているような感があります。
しかし、前回述べたとおりに、腰痛ケアは呼吸法と「山根式棒セルフマッサージ(以下、棒マッサージ)」とのあいだに位置していることは変わりがなく、呼吸法と棒マッサージを繋いでいる蝶番のような、もしくは折り紙における折り目のような役割を果たしているという点において、私の施術技術のなかで重要な何かであることは疑いようがないように思います。
私の意識の表層からは一旦その姿を消してしまいそうではありますが、一度そういう段階に入った方が結果的に良かったなんてことが、割と良くあります。忘れているような覚えているような曖昧な状態に置いておいた方が、後々、重要な場面でひょっこりと姿をあらわして、決定的な仕事をしてしまうなんて状況を作り出すのに役立ちそうに思います。
目的としては前に書いた通り、「骨盤まわりの筋肉をニュートラルにする」ということで良さそうです。骨盤まわりの筋肉というのは、具体的に書くには数が多すぎるのですが、骨盤を形成している骨に付いている筋肉全般(起始部、停止部どちらかだけでも可)ということでいいと思います。
ニュートラルという表現が曖昧なんですが、要は適度に緩んだ状態で、左右差を最小限にした状態といったところでいいと思います。
それで、具体的な方法なんですが、骨盤を前傾させたり、後傾させたりする。もしくは、骨盤自体は動かずに支点のような役割を担って、胸郭の動きによって、骨盤まわりの筋肉をゆるめていく。言葉にすればそれだけのことなんですが、実際には細かい意識の持ち方や動かし方のコツがあって、ただ漫然とやっていたのでは、かえって悪影響が出ることも考えられる。そんな感じですね。あまり具体的ではないですけれども。
自分で書きながら思ったんですけれども、これはほとんど呼吸法のやり方、考え方と同じなんですね。違うところといえば、呼吸法とは違って腰痛ケアは、棒を利用して意識を持ちやすくしたり、動きやすくしたりするということと、呼吸法は自分のタイプのやり方さえマスターすればいいという考え方ですが、腰痛ケアは自分と違うタイプの骨盤の使い方も行った方が「骨盤まわりの筋肉をニュートラルにする」という目的を達しやすくなるということです。
・・・と断言してしまいましたが、腰痛ケアにおいて、自分のタイプ以外のやり方も実践した方が上手くいくのかどうかは、まだ未確定なところです。ここで言う確定も未確定も私個人のなかの基準での判定になるのですが、なかなかすっきりと答えが出ないところです。しかし、それでも、特に最終的には人様の身体に関わってくる話ですので、いくら慎重になっても慎重になり過ぎるということはないと思います。
話を戻しまして、呼吸法は各タイプ別に指導すべきで、腰痛ケアは全てのタイプで共通の指導をするというのは、私の身体観がそこにあらわれているのだろうと思います。
そして、整体(とあえて書きますが、ボディワークと言った方が自分ではしっくりきます)の捉え方が、一般的なものとは少しずれているように感じていまして、それもそこにあらわれているように思います。
整体における一般的な身体観というのは、骨盤重視ということかと思います。もちろん全てがそうだと言うつもりはないです。ただ、「骨盤矯正」という語を見る頻度が多いということです。「脊椎矯正」とか「胸郭矯正」というのもあるとは思うのですが、圧倒的に「骨盤矯正」という語を見かけることの方が多いです。
それに対しまして、私の身体観というのは、逆に骨盤軽視なのかなと思っています。脊椎や胸郭の方を重視すべきだと考えています。(つづく)