山根式セルフ腰痛ケア(2)
「山根式棒セルフマッサージ(以下、棒マッサージ)」と「山根式セルフ腰痛ケア(以下、腰痛ケア)」の違いについてなんですが、大きな違いとしては、棒マッサージはあくまでも私自身の体調をケアするもので、腰痛ケアは自分とは違うタイプの方にでも、対応できるものになるというところです。
棒マッサージについても、「こんなに素晴らしいセルフケア法はない」と当時は自負しておりましたので、(今でも自分自身にとってはベストなセルフケア法だとは思っていますが、)人様にすすめてみたこともありましたし、マッサージの専門学校の卒業研究のテーマに取り上げて、チームの皆さんとともに、ストレッチに比べてどの程度の効果があるものなのか調べてみたこともありました。
結論から言うと、棒マッサージはストレッチと比べて、おおむね同じぐらいか、ある面から言うと劣っていることが分かりました。専門学校レベルの卒業研究ですから、どこまでの信頼性のある研究になったのかは疑問ではありますが、少なくともその時に研究調査にご協力いただいた16人の被験者の方がたのリアクションからは、棒マッサージは万人受けするたぐいのものではないという印象を私個人は受けたのでした。
ですので、専門学校を卒業してからは、ただ自分の体調を維持するためだけに、棒マッサージを使ってきました。唯一の例外として、私の母が2年ほど前に突然興味を持ち始めて、教えることになったのですが、今では「棒マッサージのない生活なんて考えられない。これは一生ものだ」と言って、愛好しているようです。しかし、これはあくまで身内の例であって、どこかで贔屓目に見ているのではないかという疑念は、完全には晴らせませんので、あくまでも例外という扱いになると思います。
一方の腰痛ケアは、まだ完成するには至ってはおりませんので、推測から言うのですが、どうも自分一人のものには収まらないように感じています。その前段階として、ホームページで紹介もしている呼吸法というものがありまして(一応「四象調息法」という名を付けてはいるのですが、その名に対するまわりの評価はいまいちなので、もっと良い名が出てくるまでは、単に「呼吸法」と呼ぶことにしています)、これは自分とは違うタイプの方にも対応できるものになっています。その呼吸法のエッセンスと棒マッサージのエッセンスが合わさって出来つつあるのが、腰痛ケアなんです。
ただ、完成にまだ至らない最大の理由として、大きな枠組みでの捉え方での問題が残っていまして、腰痛ケアが、呼吸法と同じようにタイプ別に方法を確立していくべきものなのか、それとも、どのようなタイプの方でも、基本的には同じやり方でいくのか、という二者択一が残っているんです。もし、それが後者の方で、どんなタイプの方にも通用するひとつのやり方に収斂していくのであれば、これは非常にワクワクとしてくるのですが、そこのところを間違えてしまうと、のちのちに苦しい辻褄合わせをしなくてはならなくなるので、ちょっと慎重に見極めていきたいと思っている次第です。(つづく)