金足農高校の全力校歌など
第100回全国高等学校野球選手権記念大会の準優勝校と言えば、秋田県立金足農業高等学校です。
そして、金足農業高等学校野球部の校歌斉唱と言えば、えび反りになって全力で歌う「全力校歌」として話題になりました。
主将を務める佐々木大夢(ひろむ)君は全力校歌について、「校歌を全力で歌おうとすれば上体が自然と後ろにいく」とコメントしています。
全力で歌うためには、全力で息を吐かなくてはなりません。
つまり、佐々木大夢君の言に従えば、全力で息を吐くためには、上体を後ろに反らすのが「自然」だということになります。
このことは、金足農業高校野球部の選手たちだけではなく、発声法のプロであるオペラ歌手によっても体現されています。
オペラ歌手も上体を後ろに反らせながら歌っています。
息を吐くときには、上体を後ろに反らせるのが自然なのです。
また、ラジオ体操第一の6番目に行なう「体を前後に曲げる運動」で、上体を後ろに反らす時には、息は自然に吐き出されます。
試しにやってみていただきたいのですが、息を吸いながら上体を後ろに反らせるのは、かなりやりにくいはずです。
このとき、息は吸っていますか? 吐いていますか?
さらに例を挙げると、両手を組んで上方およびやや後方に伸びをする時は、息はどうなっているでしょう。
息はどうなっていますか?
息は少し吐いているか、吐く息を詰めているはずです。
息を吸いながら伸びをするのは、ほぼ不可能です。
これらの例は、上体を後ろに反らすことと息を吐くことが、自然なかたちでつながっていることを表しています。
自然な呼吸をする時には、インナーマッスルを使うことになります。
肩こりや腰痛は、体表近くにある筋肉を酷使することで起こります。
インナーマッスルを活性化することで、体表近くにある筋肉を休ませてあげること。
これが、肩こり、腰痛を改善するための呼吸法の基本的な考え方となります。